先に農業法人の種類など紹介しましたが、今回は農業法人化のメリットについて農林水産省HPの資料より紹介します。
農業法人経営の三のメリット
農業法人経営のメリットは大きく以下の三つがあげられます。
- 経営上のメリット
- 地域農業としてのメリット
- 制度面でのメリット
ここでは、1.経営上のメリットについて紹介します。
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経営上のメリット
経営管理能力の向上
・経営責任に対する自覚を促し、経営者としての意識改革を促進
「家族経営であれば、役職などの区分もありませんが、法人経営では、代表者・役員など役職の選任があり、それぞれ与えられた業務を行うことになり責任もあります。また、立ち上げた農業法人の運営も考えながら進めなければなりませんので、経営に対する意識を強く持つことになります。」
・家計と経営が分離され、経営管理が徹底(ドンブリ勘定からの脱却)
「家族経営では、すべてが一つの会計で運営されている。例えへば、農業以外の収入があればそれも家族経営のなかでは収入となり、また農業以外の支出もそのようになりますが、法人経営では農業に特化した収入・支出になります。農業経営の優劣がはっきりと数字で表れますので、経営管理を徹底することができます。」
対外信用力の向上
・財務諸表の作成の義務化により、金融機関や取引先からの信用が増す
「法人経営では財務諸表を毎年作成する義務があります。これにより経営内容の優劣がわかりますので、規模拡大に必要な資金調達を行う時の金融機関の審査に影響します。また、農産物の出荷取引を行う時にも取引先として認めてもらえるかに影響してきます。」
経営発展の可能性の拡大
・幅広い人材(従業員)の確保により、経営の多角化など事業展開の可能性が広がり、経営の発展が期待出る
「家族経営では、農繁期の一時的な雇用はよくありますが、法人経営の場合は、福利厚生がしっかりしていることと長期雇用が期待できますので、求人に対する応募者もいます。また、応募者の中には優れた人材もいて経営について優秀な人材や新規事業の展開に優秀な人材などの確保がとても有利になります。法人経営の発展も期待できます。」
※農業法人化は、家族経営では限界がある規模拡大や新規事業の展開など経営上のメリットがあることがわかりました。